梅毒の感染者が増えています
梅毒は、クラミジアなどの性病(STD)とくらべると、感染者の実数は少ないとされています。
しかし、厚生労働省の調査によると、ここ10数年間で激増する傾向にあります。
なんと、ここ10年間で9倍近くの増加数です。(H20:827名→H30:7001名)
男性・女性共に感染・罹患する性病ですが、男性のほうが圧倒的に患者数が多く、全ての梅毒患者のうち、約7割程度を男性が占めています。
患者数は、毎年、前年度を上回る増加率を示しています。
都道府県別で患者数を見ると、第1位が東京で、次いで、大阪、愛知、神奈川、千葉、北海道と続きます。大都市部に多い傾向があるようです。
年代的には、青年層から中年層まで幅広い年代層に患者がみられます。
特に、男性は20~40歳代、女性は20歳代に顕著な増加があります。
また、未成年の方でも罹患する人が少なからずいる、との事です。
男性の方は特にご注意を。
原因と症状について
原因と潜伏期間 | 症状 |
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原因・要因 | この性感染症は、梅毒トレポネーマ(トレポネーマ・パリダム:Treponema pallidum )と呼ばれる病原菌が体内へ感染することによって発症します。性的接触・性交渉が最大の要因です。特に皮膚や粘膜といったデリケートな部分からトレポネーマは侵入します。口と口のキスによっても感染するケースがあります。 |
感染経路 | 「性的な接触」が圧倒的で、同性間(主に男性同士)によるものが5割、異性間が3割強を占めています。 |
潜伏期間 | トレポネーマに感染後、3週間前後の潜伏期間を経て症状が現れます。発症後については、4期に分ける事が出来ます。 |
感染後 | 症状の特徴 |
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第1期 (3週間後) |
性器・口内・肛門・乳頭・手といった「感染した部位」に「腫れ物(硬性下疳)」が出現します。小豆大くらいの大きさで、軟骨程度の固さがある「しこりのようなもの」です。痛みや不快感は感じにくいです。また、リンパ節が晴れる場合があります。腫れ物は2~3週間で消えていきます。 |
第2期 (3ヵ月後~) |
感染部位の病原菌トレポネーマが、血液によって全身へ広がっていきます。顔や手足をはじめとした皮膚に、あざ状の斑点や皮疹・粘膜疹(ブツブツ状)が発生します。これらの症状は、出たり消えたりを繰り返します。発熱、倦怠感、関節痛などを感じる事もあります。6ヵ月後あたりには、頭皮が脱毛を起こす事があります。 |
第3期 (3年後~) |
皮下組織にゴム状のしこり(ゴム腫)が出ます。 |
第4期 (10年後~) |
脳・心臓・脊髄・神経といった人間の中枢部に重い症状が出ます。最悪のケースは死に至ります。 |
備考:先天性について | 比較的、希少なケースとして、妊娠中のお母さんが感染していた場合、生まれてくる赤ちゃんに母子感染するリスクがあります。ちなみに、ベートーベンの難聴は先天性梅毒が原因であった、との説があるそうです。 |
梅毒は、長い時間を掛けて徐々に症状が悪化していきます。また、HIVなど他の性感染症にも数倍単位で感染しやすくなります。
少しでも気になる方は、お早めに検査を受けてみることをお勧め致します。
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STDチェッカー タイプK(男女共通)
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ごく微量の血液を自宅等で採取します。
そして、採取した血液(検体)を、郵送して調べてもらいます。
匿名性が高い検査とされています。結果はインターネットで確認が可能です。