単純ヘルペスウイルスが原因の性病です

ヘルペスは、ヘルペスウイルスの感染によって引き起こされる症状の総称です。

このウイルスには幾つもの種類があり、その種類によって罹患する病気が異なります。たとえば、HHV-3型は、水痘・帯状疱疹の原因となります。

そして、性感染症(STD)である性器ヘルペスの要因となるのは、単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)です。

男女のいずれにも感染・発症しますが、女性の方が多い傾向にあるとも言われています。

2種類のウイルス

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原因となる単純ヘルペスウイルスには、HSV-1とHSV-2の2種類があります。

HSV-1は、口唇・口腔にヘルペスを発症させます。
HSV-2は、性器やその周辺にヘルペスを発症させます。

近年では、性行為のバリエーションの多様化により、性行為によってHSV-1が感染し、口唇はもとより性器に症状が出る人も少なくありません。つまり現代においては、HSV-1、HSV-2に関係なく、いずれの単純ヘルペスウイルスも、性病~性器ヘルペス~の原因に成り得ます。

症状について

初めて感染した場合には、無症状であるケースもあるそうですが、通常は、痒みや痛みといった不快感を伴います。

症状は、強い痛みがあり発熱を伴うことがあります。同時に太もものリンパ節の腫れや痛みが見られます。

項目 特徴
感染する主な原因は? 感染者・罹患者との性交渉全般が該当します。具体的には、感染者の皮膚や粘膜との接触、唾液の摂取、罹患者の水泡等の病変部との接触・・・・などが想定されます。
感染後の潜伏期間 初めて感染した場合は、2~10日程度の潜伏期間があります。(その後、無症状が続くケースもあります。)
症状 水泡状のブツブツが出てきます。そして、水ぶくれが破れて潰瘍(ただれ)になります。痒みがあるのですが、やがて痛みを伴い、リンパ節に腫れの症状が見られる事もあります。排尿や排便時に激しい痛みを伴い、歩行する事が辛いケースもあります。

性器やその周囲に症状が出るケースが多く、太ももやおしりの周囲に出ることもあります。

性別 症状が出る箇所
男性 亀頭・陰茎体部、臀部(尻・肛門)、太もも、直腸粘膜、口唇
女性 外陰、膣口、臀部(尻・肛門)、子宮頸管、膀胱、口唇

症例写真などを、見た経験がある方はご存知でしょうが、まさに、ヤケドをした時に出来る水ぶくれのようなものが形成されますので、水泡等が目に見える箇所に生成されているならば、セルフチェックでも確認しやすいでしょう。また、初めて発症した場合は、痒さや痛みが強いので、分かりやすいでしょう。

治療と再発のリスク

性器ヘルペスの治療については、医療機関で適正に処方された薬を服用する事が有効であり、症状や再発を抑制し、性行為における相手への感染を予防出来る可能性が高いとされています。

留意すべきは、完治は難しいとされている点です。

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、体内の神経節に留まり容易には出て行ってくれません。消滅しません。

ウイルスが体内に存在するのに、特に際立った症状が出ない状態を、「潜伏感染」と言います。

潜伏感染しているという事は、再発する可能性がある事を示唆します。

どのタイミングで再発し、症状が顕在化するかは、個人によって差がありますが、極度の疲労、ストレス、生理、性行為などをきっかけに再発する場合があります。

初めて感染・罹患した時よりも、症状が軽い傾向があるようです。神経痛のような症状を伴うケースもあります。

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