性交渉と関係が深い病気です
性感染症(性病)は、主に性交渉(SEX)によって感染して発症する病気の総称です。
英語表記(Sexually Transmitted Diseases)の頭文字を取って、STDと略されます。※
感染症の名称(分類)は、国の法律に規定されています。
STDについては、クラミジア、カンジダ、淋病、梅毒、そして後天性免疫不全症候群(HIV/エイズ)が、広く知られています。
でも実際には、もっと様々な種類の性病がひそかに、私たちの健康をおびやかしています。
※ STI(Sexually Transmitted Infections)と表記される場合もあります。
感染傾向とリスク
からだの粘膜部分は、STDに分類されている病原菌やウイルスの寄生繁殖・増殖の温床となります。
性器やのど等、粘膜に覆われた部位を触れ合う性交渉は、感染のリスクを大いに高めます。
潜伏期間があり、発症後も無自覚なケース(痛みやカユみ等の異常を感じない)がある事も、STDの発見を遅らせ新たな感染者を増やす要因として考えられます。
傾向 ~現代に見られる風潮~
- ごく一般のカップルであっても感染罹患するリスクが増えている。
- 10代、20代の、若年層に罹患者が増えてきている。(性経験者の若年化)
- 従来より男性に罹患者が多い傾向があります。但し女性においても増えています。
リスク ~一般人に拡大している主な要因~
- 不特定の人たちと性交渉を持つ人が、昔よりも増えている。
- 性行為のバリエーションが多彩になってきた。(例えばオーラルSEXの一般化など)
- 性感染症に対する予防知識が浸透していない。(例えばコンドームの適切な使用など)
- 発症しても無自覚、無症状の場合があるので、早期に適切な治療が行なわれないケースがある。
重篤な事態になることもあります
感染そして罹患とは、からだ(特に性器部)の状態や機能に、悪性の異常や障害が発生することです。
たとえ無自覚であっても、放置しておくと病状の進行を引き起こします。軽い症状で済めば幸いですが、時には後遺症を残すことや、生命にキケンを及ぼす重篤な病状を引き起こすこともあります。
たとえば、悪性型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は、ゆっくりと時間をかけてからだをむしばみ、子宮頸がんを発症する場合があります。
STD(性病)の治療を怠ると・・・・
ムヤミに放置しておくと、他の病気の併発を誘引することもあります。
たとえば、STDに罹患している状態での性交渉は、HIV(エイズ)への感染危険度を数倍に引き上げるとの事です。
とりわけ女性の場合、不妊症、早産、死産、胎児感染の原因になる場合があるとされています。お気をつけ下さい。
予防のために、心がけるべきことは?
安全性が高い性交渉を行う配慮をする
コンドームを使用しましよう。グッズ類を使用する場合は安全性や衛生面に注意しましょう。
行為でからだを傷つけないようにしましょう。(特に性器・粘膜部分)
不特定多数者との性交渉を極力控える
恋人や夫婦など、信頼出来る安全な特定のパートナーに限定するのがベスト。
もし様々な方達との交流をするのならば、STD感染のリスクを常に念頭においておくべきでしょう。
性風俗店の利用・勤務は、相応のリスクを伴います。
病気に対する知識を得る。からだの異常、違和感に適切に対処する
検査を受ける、病院で診察を受けるなど、適切な対処を早めに行なうべきでしょう。
たとえば、排尿時や性交渉時における痛みや違和感、尿やおりものの異常などを感じたならば、性病への感染を疑うべきです。
一般的な健康診断では分かりません
一般企業や学校などで実施される健康診断では通常、性感染症の検査は実施されません。
つまり、健康診断の結果が良好であっても、性病にかかっているか(ウイルスや菌に感染しているか)は分かりません。
従いまして・・・
医学的な確認を得るためには、病院に足を運んで調べてもらうなど、みずからアクションを起こす必要があります。
STD:調べ方の例
▼専門科がある医療機関(病院やクリニック)で検診を受ける。
▼在宅でチェック可能な、郵送検査キットの利用(但し検査結果によっては、さらに医療機関で精密な検査を受診すべきです。)。